当院が用いている矯正技術はNC（ニューカイロプラクティック）理論を基盤としており、それは身体が生まれ持つ自然治癒力（Innate Intelligence）が正常に発揮されることを目的としています。

この自然治癒力の最大化を妨げている状態（歪み）、特に脊椎と神経系の機能障害を矯正することがニューカイロプラクティックの主な目的です。

ニューカイロプラクティックにおける歪みという概念は決して単純ではなく、正しく包括的に理解するためには３つの歪みに関する重要な項目を理解しておく必要があります。

それが、「サブラクセーション（Subluxation）」、「フィクセーション（Fixation）」、そして「カンパセーション（Compensation）」です。

ここではフィクセーション（Fixation）について解説していきます。

フィクセーション（Fixation）：局所的関節機能異常（＝Joint Dysfunction）

フィクセーションとは、個々の椎骨の機能の低下、特に関節可動域の減少（Hypomobility）を指すカイロプラクティックの専門用語です。この概念は簡単に言うと「骨の歪み」と説明しますが、どちらかというと骨の静的な位置異常よりも動的な運動分節の動きの制限です。

この運動制限は広義の「歪み」（サブラクセーション）を構成する最も基礎的な生体力学的要素であります 。

フィクセーションは脊椎の機能不全を局所的に定義する際に用いられNC理論におけるアジャストメントの第一のターゲットとなります。

フィクセーションが存在するとその運動分節は正常な運動（特にカップリングモーション）が妨げられ、これが神経機能の異常を引き起こす原因となります。

フィクセーションは単なる組織の硬直ではなく椎骨間の運動分節（Motion Segment）における複雑な生体力学的変化の結果として発生します。脊椎の機能は隣接する椎骨間の三次元的な運動によって機能しており、フィクセーションが発生するとそれらの正常な運動ベクトルが変化し運動分節の安定性が低下します。

発生機序としては

１、組織学的変化： 関節包、靭帯、椎間板などの軟部組織が外傷、微小外傷の蓄積、または持続的な姿勢ストレスによって線維化、短縮、または滑膜の炎症を起ことにより、関節包内圧が変化し、関節の遊び（Joint Play）が減少し最終的な可動域（Range of Motion）が制限されます。

２、筋源性要素（Myogenic Factors）： 運動分節周囲に存在する多裂筋などの深部安定筋（スタビライザー）が筋紡錘やゴルジ腱器官といった感覚受容器の異常なフィードバックにより過剰に緊張する。これは関節の安定性を確保しようとする生体防御反応、すなわち筋性防御の一種として発生し結果として関節の可動性を制限する。この筋スパズムはしばしば疼痛を伴いフィクセーションをさらに慢性化させる要因となります。

一つの運動分節に運動機能低下（フィクセーション）が発生した場合身体は関節可動域を維持しようとする普遍的な生体力学的原則に従い、その結果フィクセーションの隣接する分節や離れた分節が代償的な過剰運動（ハイパーモビリティ）を示すようになります。

例えば、L5（第五腰椎）とS1の分節にフィクセーション（運動低下）が発生した場合身体はこれを補うためにL3（第三腰椎）とL4（第四腰椎）の間や、L4（第四腰椎）とL5（第五腰椎）の分節を過剰に動かし始めます。

この過剰運動（ハイパーモビリティ）の連鎖は代償部位に機械的なストレスを増加させ、その結果としてその部位に炎症、不安定性、および疼痛といった症状を発生させる主要な原因となります。

よって疼痛部位だけを施術するだけでは根本的な病態（フィクセーション）が未解決のまま残るため単なる対症療法に留まるリスクが高いということを意味します。

したがって、長期的な安定化と症状の根本的な改善を図るためには、機能低下部位（フィクセーション）を正確に特定し、そこを調整することが不可欠となるのです。

以上が、当院で用いているカイロプラクティックの理論であるNC（ニューカイロプラクティック）理論における歪みの重要な要素であるフィクセーション（Fixationという概念でした。簡単に表現するのであれば歪みを構成する局所的な関節の動きの障害です。

今後も勉学に励み施術効果の最大化を図っていきますのでよろしくお願いいたします。

国立駅前カイロプラクティック整体院