当院が用いている矯正技術はNC(ニューカイロプラクティック)理論を基盤としており、それは身体が生まれ持つ自然治癒力(Innate Intelligence)が正常に発揮されることを目的としています。
この自然治癒力の最大化を妨げている状態(歪み)、特に脊椎と神経系の機能障害を矯正することがニューカイロプラクティックの主な目的です。
ニューカイロプラクティックにおける歪みという概念は決して単純ではなく、正しく包括的に理解するためには3つの歪みに関する重要な項目を理解しておく必要があります。
それが、「サブラクセーション(Subluxation)」、「フィクセーション(Fixation)」、そして「カンパセーション(Compensation)」です。
ここではサブラクセーション(Subluxation)について解説していきます。

サブラクセーション(Subluxation):脊柱機能障害(Spinal Dysfunction)
サブラクセーション(Subluxation)はカイロプラクティック全体における最も包括的かつ中心的な概念でありその定義は時代とともに進化してきました。
アメリカカイロプラクティック協会(ACA)は、「サブラクセーション」という用語を、機能的・構造的・病理学的な関節の変化であり、神経の整合性を損ない、器官系の機能や全身の健康に影響を及ぼす可能性があるものとして定義しています。
現代のカイロプラクティックにおいて強調される定義はサブラクセーションが単なる「骨のずれ」(アライメントの異常)ではないという点です。それは脊椎と神経の機能が正しく働かなくなっている状態を指し結果として様々な機能障害として現れます。それによって倦怠感など疲れやすさや、さまざまな部位の痛み、機能制限を生み出してしまいます。
我々の用いているニューカイロプラクティック理論の目的は様々な症状を一時的に取り除くことではなく脊椎の機能障害によって阻害されている神経の働きを回復させ身体が自ら整おうとする力(自己治癒力=イネイト・インテリジェンス)を取り戻すことにあります 。
フィクセーションが発生すると関節や周囲の筋肉から脊髄への感覚情報(求心性入力)に異常が生じます。この異常な情報が脊髄や脳を介して中枢で処理される際に歪みが生じ、その結果運動神経を伝わって出力されるべき正確な筋力に異常な反応(抑制や過剰反応)が生じてしまいます 。例えるならば物を移動させるのに必要な力が本来は1キロとするならば、フィクセーションにより0.5キロしか出せずに動かせなかったり、2キロの力を使ってしまい日常的に余分なエネルギーを消費し疲れやすい状況を発生させたりしてしまいます。これらが発生しているかの判断に徒手筋力テストという検査方法を使います。
サブラクセーションは主に、関節機能不全(フィクセーション)によって引き起こされる異常な求心性情報伝達(体性感覚系の混乱)がより重要視されこの現象は感覚情報(求心性入力)に対する干渉として「求心性干渉(Afferent Barrage)」と呼ばれています。
運動分節の制限や異常な関節のアライメントは関節包や周囲の筋・腱に存在するメカノレセプターやノシセプター(侵害受容器)からのインパルスを異常なパターンで中枢神経系へと伝達します。それにより中枢神経系における運動制御(モーターコントロール)を混乱させ姿勢制御系や痛覚閾値に影響を与え異常な反射パターンや運動機能制限を生じさせます。さらに脊髄レベルでの体性内臓反射を介して自律神経系のバランスにも変調をきたし全身の恒常性を乱す事にも繋がり、これはサブラクセーションが全身的な病態生理(Pathophysiology)を引き起こす機序となることを意味しています。
椎骨サブラクセーション複合体(VSC)の5つの構成要素
サブラクセーションを単一の病態ではなく構造的、機能的、神経的な複数の要素が関与する複合的な状態として捉えるために椎骨サブラクセーション複合体(Vertebral Subluxation Complex: VSC)モデルが一般的に知られています。
このモデルは、サブラクセーションを構成する要素を統合的に捉え診断および施術計画の立案に役立てられます。VSCは通常以下の5つの構成要素によって定義されます。
1、運動病理(Kinesiopathology): 運動分節の異常な動き、特に可動域の制限。関節のフィクセーションやカップリングモーション異常が発生する。
2、神経病理(Neuropathology): 脊髄神経や自律神経系の伝達における干渉や障害。これは痛み、知覚異常、異常な反射そして運動制御の異常として臨床的に現れます。
3、筋病理(Myopathology): 運動分節周囲の筋緊張の変化。筋の過緊張(スパズム)、短縮、弛緩、または慢性的な萎縮などが含まれます。
4、 組織病理(Histopathology): 運動分節周囲の軟部組織における炎症反応、浮腫、血管系の循環障害、および線維性の変化。これは局所的な圧痛や熱感として現れます。
5、病態生理(Pathophysiology): 自律神経系や内分泌系を介してサブラクセーションが全身の恒常性(ホメオスタシス)に及ぼす広範な影響で慢性疲労、ストレス適応能力の低下、または内臓機能の不調などが含まれます。
以上が、当院で用いているカイロプラクティックの理論であるNC(ニューカイロプラクティック)理論における歪みの重要な要素であるサブラクセーション(Subluxation)という概念でした。簡単に表現するのであれば神経や関節機能の低下です。
今後も勉学に励み施術効果の最大化を図っていきますのでよろしくお願いいたします。
国立駅前カイロプラクティック整体院







